科学教育研究協議会で「野川源流スクール」を発表

記録

8月10(月)に開催された第71回 科学教育研究協議会 全国研究大会(東京大会)の分科会(自然と社会)で1000日の会の構成団体の一つ、NPO法人まちづくりサポート国分寺が、国分寺との協働事業「野川源流スクール」について発表しました。参加者からは高い関心が寄せられました。

野川源流スクールについて(発表内容)

「野川源流スクール」国分寺市協働事業
~国分寺エリアの「野川整備計画」の早期実現の気運醸成のため~

令和7年8月10日
自然と社会分科会レポート
(NPO法人まちづくりサポート国分寺)

目次
1.野川の概要
2.野川の現状と課題
3.河川整備計画の早期事業化に向けての取り組み
4.野川源流スクール(野川源流スクール開講事業)
5.今後の取り組み

1.野川の概要

野川は、国分寺市の唯一の川であり、国分寺市を源流として国分寺崖線下の湧水を集めて流れています。

多摩川の一次支川であり、国分寺市東恋ヶ窪の株式会社日立製作所中央研究所敷地内の大池に源を発し、国分寺崖線からの湧水を集めながら崖線下をほぼ南東に流れ、小金井市、三鷹市、調布市、狛江市を経て世田谷区二子玉川付近で多摩川に合流します。流路延長20.2㎞、流域面積69.6k㎡の1級河川です。

2.野川の現状と課題

昭和30年代に入ると、流域の急速な都市化の進展に伴って土地の保水力が低下し、大量の雨水が流入するようになり、たびたび溢水するようになったため、応急的に現在の姿、コンクリート3面張りへの整備が行われました。

その後東京都の本格的な整備計画が策定され、下流から順次整備が進められ、小金井市区間までは工事が完了、自然豊かな美しい川へと生まれ変わっています。
国分寺区間(1.7㎞)は事業化が遅れており、依然としてコンクリート3面張りのままとなっています。

3.野川河川整備計画の早期事業化に向けての取り組み

早期事業化は国分寺市にとって、喫緊の課題であり、私達市民にとっても熱い願いとなっています。

そこで河川整備計画の早期実施に向けての気運醸成を図るための様々な取組を進めており、その一つが「野川源流スクール」です。

*署名活動東京都議会への陳情国分寺市議会での決議など

4.「野川源流スクール」(野川源流スクール開講事業)

提案型協働事業として令和4年度から開始。令和7年度からは公募型協働事業として継続して実施しています。

シニア

高校生以上を対象に年2回開講午前中は講習と検定、午後は野川の散策という1日コースで、検定合格者は、野川のボランティアガイドに認定、登録できるという仕組みです。

参考
令和6年度実績

9月22日実施 参加 35名
12月14日実施 参加 23名
参加合計58名
ボランティアガイド登録者27名

参加累計209名
ボランティアガイド登録者累計129名

野川源流School教本(シニア)表紙
講習
検定
散策

ジュニア

小学4年生を対象に1時限目は教室での学習2~4時限目は野川の散策午後の2時限でガリバー地図作り(ワークショップ)と検定という6時限の授業です。市立の10小学校の内、比較的野川に近い4校(スタート時は3校)で実施しています。

参考
令和6年度実績
第四小学校 4月23日実施 参加147名
第七小学校 5月23日実施 参加88名
第三小学校 11月12日実施 参加143名
第一小学校 12月2日実施 参加85名
参加合計463名
累計1,261名

野川源流School教本(ジュニア)表紙
散策
ガリバー地図作り

成果と課題

いずれも感想文の多くには、野川の存在、価値への気づき、東京都の整備計画を知り、国分寺の野川も“自然豊かな美しい川に”、“そのために何かできることがあればしたい”などの思いが述べられており、気運の醸成に向けて手ごたえを感じています。

また、シニアへ参加したジュニア実施校の先生による授業への取り込みの例もあり、波及効果も出て来ています。

一方、ボランティアガイドの活用は進んでおらず、その組織化、有効活用は今後の大きな課題となっています。
次年度以降についてはジュニア実施校の段階的な拡大を予定しています。

5.今後の取り組み

野川整備計画の早期実施に向けてさらなる気運醸成を図るため、「野川源流スクール」の拡大をはじめ市と連携、まちづくりの一環としての取り組みを進めていく予定です。

*「野川最上流部の整備計画を1000日で実現する会」の活動など

ありがとうございました

NPO法人まちづくりサポート国分寺
龍神瑞穂